作品概要
「忘れない! 学ぶ! 行動する!」私たちが4年間に考え続けたこと。東日本大震災以後早稲田大学は何を研究し、いかに行動したか。
「東日本大震災から4年目を迎えて」早稲田大学HP
書籍情報
- 鎌田 薫 監修 早稲田大学震災復興研究論集編集委員会 編 <出版元の情報ページ>
- B5判 1024ページ
- 本体 6,600円+税(2015年3月25日発売)
- ISBN:978-4-657-15003-5
目次
鎌田 薫 はしがき
第1部 被災の状況と災害への対応
柴山 知也 「東日本大震災の津波高さと被害分析に基づく今後の津波防災策の検討」
三上 貴仁 「東日本大震災における海岸堤防の被害と被災メカニズム」
赤木 寛一 「東日本大震災における液状化による地盤災害状況と対策技術」
石川 貴一朗=山本 耕平=坂下 裕明 「モービルマッピングと広域被災状況」
河村 茂雄 「災害時の学校・学級の役割」
川邉 信雄 「大震災と流通・小売業―日常生活の回復と維持―」
恩藏 直人=永井 竜之介 「エネルギー多様化による災害時の物流確保」
香村 一夫 「災害後の環境汚染とその対策」
林 泰弘 「東日本大震災後の電力システムと新しいパラダイム」
有賀 隆 「巨大災害による人命被害を低減するための減災都市・まちづくり」
川副 早央里=浦野 正樹 「複合災害下における被害の実相と被災者意識の生成・再編成―二重の分断線の渦中にある<いわき>に焦点をあてて―」
野坂 真=浦野 正樹 「津波被災地域の安全対策と地域社会の持続可能性―地域開発から地域復興までの長期的な地域変動過程から―」
第2部 原子力発電所事故をめぐって
濱田 政則=久野 通也 「原子力発電所の耐津波設計と対策」
小峯 秀雄 「原子力発電所事故に起因する地盤汚染の技術的対策と社会的受容性」
大河内 博=黒島 碩人=緒方 裕子=岸本 彩=片岡 淳 「大震災と放射能汚染―福島県の里山に大気沈着した放射性物質の動態と除染―」
和田 仁孝=西田 英一=中西 淑美 「原発事故をめぐる被害の構造と認知―浪江町住民調査の結果から―」
淡路 剛久 「福島原発事故賠償の課題」
須網 隆夫 「東日本大震災被災者支援と「法の支配」―東日本大震災復興支援法務プロジェクトの活動と浪江町―」
師岡 愼一=小澤 俊一郎=水谷 拓人 「原子力安全規制改革の技術的評価―日本の原子力規制が国民の信頼を得るためには―」
黒川 哲志 「原子力安全規制改革の法的評価」
坪郷 實 「脱原発とエネルギー政策の転換への道―ドイツと日本の比較から―」
楜澤 能生 「ドイツの脱原発は如何に実現されたか」
第3部 避難者と家族・子どもが直面する問題
辻内 琢也 「原発事故被災者の精神的ストレスに影響を与える社会的要因―失業・生活費の心配・賠償の問題への「社会的ケア」の必要性―」
松村 治 「福島からの避難者の心と支援について」
石川 則子=小島 隆矢 「福島原発事故による県外避難者の住環境評価と意向」(p267-276)
増田 和高 「原子力発電所事故による県外避難に伴う近隣関係の希薄化と支援」
菅野 圭祐 「福島県浪江町の広域分散避難とコミュニティ復興」
佐藤 光俊 「原発事故関連死――命の重さを問う―『福島民報』キャンペーン報道―」
白神 晃子 「福島県の子育て世帯はいかに避難を決定したか―家族危機の観点から―」
根ケ山 光一=平田 修三=石島 このみ=持田 隆平=白石 優子 「震災直後の避難にともなう家族と子どもの心理と支援」
平田 修三=石島 このみ=持田 隆平=白石 優子=根ヶ山 光一 「避難家族と子どもたちの適応―地域との関係を踏まえて―」(p323-334)
谷村 祐実=吉見 憲二=樋口 清秀 「コミュニティ単位での入居とICTの利用が社会的孤立に与える影響」
第4部 コミュニティの再建と文化
土田 健次郎 「災害復興と共同体の倫理―江戸時代の事例から―」
中川 武 「文化遺産の継承とコミュニティにおける自然調和思想の再生」
村 優理香 「岩手三陸地方の共同体の変容と地域の伝統芸能―黒森神楽の巡行を通して―」
島田 剛 「阪神・淡路大震災20年から東日本大震災を考える―レジリエンスとソーシャル・キャピタル―」
佐藤 宏亮=後藤 春彦 「漁業集落における生活と生業の一体性に配慮した復興計画アセスメント」
長谷見 雄二 「防災の知恵とは何か?─歴史的市街地から学ぶ防災システムへの魂の入れ方―」
中谷 礼仁 「千年村プロジェクトの射程」
村田 晶子=天野 和彦=矢内 琴江 「復興支援者・地域コーディネーターの学びあうコミュニティづくり―震災とジェンダーの視点から―」
佐藤 滋=阿部 俊彦 「大震災を想定した協働復興模擬訓練と事前復興まちづくり」
阿部 俊彦=佐藤 滋 「津波被災市街地におけるまちづくり市民事業の可能性―気仙沼市内湾地区を事例として―」
沼田 真一 「復興まちづくりにおけるナラティブ・アプローチ―岩手県田野畑村における映画づくりワークショップを事例として―」
第5部 復興のための制度と法を考える
松岡 俊二 「フクシマとレジリエンスとサステナビリティ」
鈴村 興太郎 「危機対応のための制度の設計と社会的選択」
川岸 令和 「情報の自由と災害復興後の民主的意思形成」
原田 泰 「復興費用の推定」
早稲田大学パブリックサービス研究所 「被災自治体の再建―行政経営に求められる戦略計画プロセスへの転換―」
稲継 裕昭=大谷 基道 「災害復旧・復興をめぐる広域自治体連携」
水島 朝穂 「緊急事態における権限分配と意思決定―東日本大震災から考える―」
中村 民雄 「災害対策法制度の課題―災害ボランティアと公的機関の協働に向けて―」
加藤 哲夫 「企業破綻処理法制と東日本大震災―事業再生そして地方再生の視点から―」
吉田 徳久 「東日本大震災からの復興と環境政策の変容―漂流するサステイナビリティ論―」
土方 正夫=藤原 整 「社会的記憶と震災―気仙沼地域の復興計画事例―」
早田 宰 「コミュニティ・レジリエンスの適応可能キャパシティ--2011年津波後の日本沿岸地域の分析」
第6部 専門知の力を活かす支援
本田 恵子 「大学における防災教育―早稲田大学教育・総合科学学術院の取組み―」
浅野 茂隆 「災害時と非災害時の両面で役立つアジア国際病院船の実現に向けて」
榊 豊和=竹嶋 正勝=磯島 茂男=濱田 政則 「津波被災地のインフラ復興におけるNPOの役割」
竹中 晃二 「東日本大震災を契機に始まったメンタルヘルス・プロモーション」
安部 芳絵 「災害復興と子ども支援―レジリエンスとPTGに基づく子ども参加支援―」
藤原 恵美子=飯田 緑=吉田 章子 「福島県における「親子ふれあい遊び」「乳幼児健診」への東京からの支援」
高野 光司=遠田 将大=塚原 望 「被災者支援に取り組むNPO法人スタッフのトレーニングプログラム―その効果とCIS予防―」
藤原 整 「気仙沼大学ネットワークが果たしてきた役割と課題」
石川 悦子 「福島県への緊急スクールカウンセラー派遣事業とバックアップ体制」
間野 義之 「アスリートの思いと被災地域の希望をつなぐ―日本アスリート会議―」
長塚 智広=児玉 有子=平田 竹男 「トップアスリートによる継続的な被災地支援」
町野 弘明=ソシオエンジン・アソシエイツ 「希望という名の“なつかしい未来”なる彼岸へ―陸前高田におけるソーシャルビジネスによる創造的復興の試み―」
第7部 学生ボランティアの展開
外川 隆 「学生・教職員・校友の協働による早稲田型ボランティアの展開―WAVOCによる震災ボランティア全記録―」
西尾 雄志 「災害時における学生ボランティアの意義」
加藤 基樹 「学生ボランティアの役割―被災地域の諸条件と復興フェーズへの対応―」
廣重 剛史 「気仙沼の防潮林再生計画とその支援活動―育苗を通じた被災地と支援地域の互恵的関係の構築―」
秋吉 恵 「半島部被災地の復興とよそ者―住民と学生ボランティアの相互変容―」
兵藤 智佳 「福島の高校生への学習支援―「福島差別」に対する大学生ボランティアの可能性―」
橋谷田 雅志 「体育各部による復興支援活動としてのスポーツ交流」
葛西 順一 「早稲田スポーツと復興支援ー稲魂卓久会と東京六大学応援団連盟の活動ー」
池田 雅之=小木曾 駿 「被災地における教育の再生―「鎌倉てらこや」「全国てらこやネット」の復興支援活動から―」
第8部 災害を見つめ記録し伝える
堀内 正規 「被災者と詩の言葉―須藤洋平の詩集を読む―」
後藤 渡 「災厄の後のエクリチュール―ジョルジュ・ペレックから出発して―」
藪野 健 「失われた風景と残った風景―福島での絵画取材で考える―」
金井 景子 「水俣の経験を活かす防災・減災の教育プログラムの構想―顔の見える、声が聞こえる記憶の継承を目指して―」
榊 悟=下屋敷 智秀 「風化との戦い 被災地の地方新聞の震災報道―追悼企画「忘れない」と関連調査報道から―」
寺島 英弥 「福島県相馬地方の復興遅れの実相―除染・風評・汚染水・・・・・・難題は山積する―」
瀬川 至朗 「原発事故報道の構造を読み解く―災害初期報道のあり方を考える契機として―」
伊藤 守 「福島第一原子力発電所事故をめぐる情報メディア環境の問題点―震災直後のテレビ報道800時間の検証から―」
花田 達朗 「新聞は大震災を正しく伝えたか―教育学部新聞学ゼミの研究プロジェクトとその軌跡―」
第9部 世界の中の東日本大震災
太田 宏 「災害と国際社会―国際社会の災害支援と東日本大震災からの教訓―」
山田 満 「3・11後の日本とアジア」
金 暎根 「災害後の日本政治経済システムの変容―関東∙戦後∙阪神・淡路∙東日本大震災の比較分析―」
Ioan Nistor ”Performance of Bridges during the 2011 Tohoku Tsunami in Japan”
Eugene F. Augusterfer ”Impact of the Great East Japan Earthquake on Mental Health and Psychosocial Impact”(p973 -983)
川上 郁雄=人見 美佳=上原 龍彦=大森 麻紀=本間 祥子 「日本語を学ぶ子どもたちの震災後ー心とことばの学習を支える実践研究ー」
橋本 周司 「大震災とWaseda Vision150」
深澤 良彰 あとがき